第23羽 「ハーネスからなごやめし&鳥観の旅」

嬉しいことがありました。
この「着物でハーネス・またまた図鑑の話」をお読みになった日本野鳥の会愛知県支部のNさんから、高司に講演のお話しを頂いたのです。愛知県支部は今年で70周年との事で、節目の総会のあとの講演会をいかがでしょう、というメールに「もちろん喜んで!」とお返事。Nさんは高司が高野さんの図版に筆を入れる瞬間に思いを馳せて、胸をキュンとしてくださったとのこと。ありがたいことです。

そして!行って参りました、1月27日、晴天の名古屋に。
開始の頃は出席人数も控えめで、思わず、お誘いいただいたNさんに「講師が悪いってことですかねぇ?」と聞いてしまったほど。ただ総会は例年少人数で、そのあとの講演会だけ目指してお越しになる方もいること、今回の講演は事前の申し込みもなしで、会員外でもOKとのことで「ご心配はないと思いますよ…」との仰せの通りで、高司の講演が始まってみれば、70名を越える皆さんが集まってくださいました。

皆さん「鳥が好き」という思いのある方ばかりだったので、図鑑の話も熱心に聞いてくださり、フィールドノート用に“タマゴ式”で描くスズメもどれも上手に仕上がっていました。ふだん鳥を見ておられると、頭と胴の大きさのバランスや、立ちポーズなど、ブレが少ないのですね。感心してしまいました。絵を描くことで、鳥を観察するときの目線がかわります。みなさんの描かれた一羽一羽が、これから素敵な方向に飛び立ってくださればと思いました。

7枚お持ちした、図鑑の絵の大きなプレートも、鳥好きさんの熱い視線を浴びて嬉しそうでした。この手の原画は、テーマを決めて開催する個展では、なかなかご披露することができないのです。かなり修正の跡が残っていることもありますし、野鳥図鑑を使ってくださっている方には、その図版の痕跡を紐解く面白さがあるのですが、そこまでの興味をお持ちでない方の目には、ただの切り貼りの紙にしか映らないようなので…。久しぶりのご披露が、受け入れていただけてほっとしました。

懇親会の席にもお招きいただいて、元気で明るい愛知県支部の方たちと、とても楽しいひと時を過ごすことができ、感激でした。
ご馳走を前に、名古屋の探鳥地のお話し以上に盛り上がったのが、美味しいもののお話です。

特に「手羽先」や「味噌カツ」は皆さんお好みのブランドがあるようで、興味深々でした。なんたって今回の私の中でのハイライトの一つは「なごやめし」だったのですから。
最初名古屋行きのオファーを頂いたとき,Nさんに「お会いできるのを楽しみにしています」とメールを送った瞬間「え、あなたも行くの?」って、おまぬけな質問をしたのは高司です。その時点で私の頭の中は「名古屋めし」でいっぱい。以前、思わず買っちゃった「なごやめし」という本の表紙には“珈琲&トースト&茶碗蒸し&みかん半分&たこ焼き”が同じプレートに乗っていました。この一枚の写真で名古屋モーニングの心意気をうかがい知ることができます。

名古屋は全くご縁がなかったわけではないのです。
私にもあったハタチの頃。オランウータンにはまり、オランウータンに会うためだけに一年で10ヶ所の動物園に行ったほどでした。一番のお気に入りは犬山モンキーセンターの「のりえちゃん」何回か通って一緒に記念撮影までしていただける間柄になりました。ただこの頃の記憶は薄れがち。

それからン十年たって、この頃は中日劇場での氷川きよしくんの一ヶ月座長公演があるときに、初日&千秋楽メインで行っています。朝新幹線に乗って、中日劇場まっしぐらに行って、お芝居観て、幕間にご近所の三越で晩のおかずを買って、歌謡ショー見て、直帰。何しに行ってるの?っていう話ですが、これは私の生きがいなのでご放念を。ここでも「なごやめし」を味わった記憶がありません。

東京生まれの同級生が、ご主人の転勤で名古屋に行ったら、給食に必ず八丁味噌が使われてて坊やたちが半泣きで帰ってきたと言う話を聞く半面、仕事仲間だった名古屋育ちの子からは私の知らない東京の美味しいものいっぱい教えて貰いました。
名古屋の食文化は深いモノがあるに違いない!「なごやめし」の本を熟読し、いつかきっと、の思いを胸に秘めていたのです。

日帰りでも大丈夫な時間帯に、講演会を設定してくださったのですが、ここはあえてお泊り。何故なら「のぞみ往復」と「ひかり往復+ビジネスホテル一泊」と、乗車時間帯によっては「ひかりセット」の方が数百円安いことを発見したからです。泊まればあの「名古屋モーニング」食べられるかもしれないし。

ということで、当日は、朝4時半に起きて「着物でハーネス」の名をけがさぬよう着物を着て、おむすび作って、崎陽軒のシウマイ買って6時36分の新幹線に乗りこみました。途中多摩川渡るあたりで夜が明けて、富士山も拝んで、うたた寝するまもなく名古屋到着が8時22分。講演会場には昼ごろ伺えばよいので、さてモーニングとも思ったのですが、新幹線の中で携帯ピコピコしながら、尾張一宮の真清田神社が思いのほか近いことがわかったのでお参りに行くことにしました。

お正月、ミステリーツアーで信濃一宮諏訪大社にお参りした時に「ご朱印」を頂き、それから鳩居堂でご朱印帳を買いして、今年の日々のテーマに神社詣でも加わったのです。
真っ青な空に真清田神社楼門の映えること。清清しいお社で、身も心も洗われる思いでした。
そしてその名も「尾張一宮」駅構内のモスバーガーに“中京北陸地域限定モーニング”を発見、480円で「トースト&サラダ&スクランブルエッグ&フランク&ジャム&スープ」とまぁ盛り沢山な幸せぶり。とりあえずここでなごやめし一本めクリアです。

午後からは愛知県支部のみなさんととても楽しい時間を過ごさせていただき、宿泊先の東急インに着いたのが9時過ぎ、ホテル一階レストラン「オルカ」で思わず味噌カツ丼を一杯。だってすっごく美味しそうだったんですもの。後で聞いたらここは、川端康成も愛した名古屋の伝説のお店「八千代本店」の無期休店で、その味を惜しんでこちらのホテルへ料理長さん2人を呼んで、味の継承をしている、というあり難いお店だったのです。カリッサクッ、そしてお味噌が優しく味を添えて…かなりディープなんだけどぺろりと頂いちゃいました。

翌朝は期待の「名古屋モーニング」。ところが、ホテルのある丸の内はオフィス街で、ここぞ!という匂いのするお店がない。そこで愛知県支部の皆さんが「外れはない」という名古屋喫茶のチェーン店「コメダ珈琲店」に。レギュラーメニューに「トーストとタマゴがつきますが?」って聞いてくれるのね。かなり立派なトースト、うぉ~大サービスな感じです。堀川沿いの店なので窓辺にユリカモメの姿を見ながらの朝ご飯。

さて、もう一軒モーニング食べて、そのあとどこかに鳥観に、と思っていたのですが、途中で高司の親友のIさんの弁護士事務所に顔出したらお話しが盛り上がってしまって、結局モーニングは一軒きり。同時に鳥観の意欲も萎えて、ここは熱田神宮へと方向転換し、お参りをすますと、茶店のそばで高司が濡れた目で「ねぇ、きしめんって書いてある」と訴えています。熱田神宮のそばには超有名なひつまぶしのお店があるって話だけれど私はウナギ駄目だし、昨夜、ラーメンは不毛の地名古屋、と聞いていたのです、昼ごはんはさて、とは思っていたのですが。なんでまた、境内の茶店で?。屋根はあるけれど壁はない、かなりバラックっぽいところで、足元を堂々闊歩するニワトリをよけながら頂いた「宮きしめん」は、老若男女が肩寄せ合ってすする光景も麗しく、温かさが染みました。このきしめんも超有名な名物だったのも後日判明。

怒濤のツアー、〆は「矢場とん」の味噌カツです。新幹線乗り場の地下にありますから、ぜひぜひ!とこれも前夜熱烈にオススメいただいてたので、気合で行ったところ、なんと改修工事で臨時休業。新幹線の時間は迫っていましたが、これは食べずにいられない、と今来た道を戻り一番近い名鉄百貨店にダッシュ、必死で店についたのが新幹線出発の40分前でしたが、味噌カツ丼をきっちり頂き、ちゃんと帰路に着くことができました。ここのシンボルマークは、何と、化粧回しをつけて土俵入りするぶたさんです。他人と思えない体型にちょっと胸をいためました。

本場手羽先を食べはぐれはしたものの、後から調べたら押さえておいたらラッキーなお店にも行かれて、おかげさまでおなか一杯の名古屋ツアーになりました。
愛知県支部の皆さんに何からかにまでお世話になって、改めて御礼申上げます。

出かけて行ったのは名古屋だけではありません。

まずは水元公園へ「コノドジロムシクイ」。珍鳥を追いかけるのは全く好きではないのですが、高司がある会合で、敬愛する森岡照明さんに「日本人で一番最初に図鑑に絵を描いたものの責任として、ちゃんと観に行くべきだ」と進言されて、行くことに。もちろんお友達のSちゃまが車を出してくれました。
ついて早々、二人がトイレに行って私が待っていると…Sちゃましか戻ってきません。「あれ?高司は?」「え?流されちゃった?」と話していたら、奥のほうから飄々と高司が歩いてきて「居た!絵よりもちょっと黒っぽかった」というではありませんか。

トイレから出たらみんなのぞいているので、どんなかと思って、行ってみたというのです。
これがとてつもない大問題に。だって「コノドジロムシクイ」ちゃん。その日は、朝のそのお目見えが最後。あとはお昼挟んでずぅっと待っても出ても来なかったのです。
自慢の800ミリとデジタル一眼の2台をトランクに積んでたSちゃま、すねることすねること。「今度からさぁ、こういう時はオ手々つないで一緒に行こうな」。ホントよね。

そしてよっし~にお誘いいただいた群馬県の某所。ここはクマタカちゃんだけでなく、イワヒバリとカヤクグリが観られるというのです。わざわざ愛車で送り迎えつきで恐縮しつつ高司と二人、ホビーズのスタッフのみなさんとご一緒しました。
雪が降ったあとで、周りの山々の針葉樹にはケーキの飾りのように雪が積もってキレイです。イワヒバリ、カヤクグリも嬉しかったですが、ルリビタキやホオジロ、ジョウビタキ、そしてハギマシコといった冬の華にもいっぱい会えて幸せでした。
私たちは車といえば自転車しかないので、こういう遠出にお誘いいただけるとほんとにありがたいのです。
この場所でお会いした皆さんも、とても懐が深い皆さんで、お互い距離感を保ちつつ、鳥を観ている感じがオトナで素敵でした。

ここでの帰りのお蕎麦屋さんはかなりデンジャラスでした。時間が時間でやっているお店がなく、やっとたどり着いたのですが。
お座敷に通されると、不思議なオーラが。使っている器も、飾ってある布絵も、天井の照明器具もぜ~んぶ、何もかも手づくり。もちろんおそばも手打ち。ダイナミックな天ぷらも手作り。なんというか、こだわっているのは十分わかるのだけれど、気を抜けるところがなく、一同寡黙になりながら、ちょっと薄めのつゆにも文句も言えずありがたく頂きました。
だって雪の中に一日居たからホントは温かいおそば食べたかったんだけど「うちはこれがオススメ」って冷たいを熱烈に勧められちゃって…あがないきれず。なんというか…でした。

そうそう日本野鳥の会東京支部の善福寺公園探鳥会も行きました。
水元公園の時、枯れた葦にメジロが停まるとものすごく鮮やかな緑に見えるのを発見してビックリだったのですが、善福寺池では葦にアオジが停まって同じように緑が鮮やかに見えて驚きました。
葉や花の中では目立たないあの色が、背景が変わると俄然輝きだすのですね。
ここではエナガとコゲラがなんとも可愛い姿を見せてくれました。
そして、東京に雪の降った日、私は「黒鳥」にも会いに行きました。
って言っても“はとバス夜の定期観光”の「黒鳥の湖」なんですが。
幼馴染が、去年ご主人を病気で見送って、一周忌過ぎたら何だか急に寂しさが募ってきた…というので「どこか行こうか?バスツアーなんてどう?」とメールをしたら「夜のはとバス」で冒険したい、とリクエストがあっての定番中の定番「黒鳥の湖」コースの予約がやっととれたのです。予約は群馬でよっし~の車の中から携帯でとったのですが、その時よっし~の肩がプルプル震えていたのを私は見逃しませんでした。「ねえさん、ハーネスのネタですか?」って…やっぱ変?黒鳥の湖って。
さて、どんな黒鳥だったかは、ご想像におまかせします…もっと若いときに見てれば楽しみどころもあったかも。ただ、想像していたいわゆるニューハーフのイロモノ的ショーではなく、完璧なダンスでショーアップされた、かなり難易度の高いステージでした。色眼鏡で見ていた自分を反省、ただただ感心してました。
でもね、やっぱり私には黒鳥よりもきよしくん、に決まっていますが。

鳥を観ているのか、食べに行っているのかの不思議な冬がいき、2月は逃げて、3月は去る、というと、この春はどんな春になるのでしょうか?ともかくみんなが元気で日々すごせたらいいなと思います。


http://www.fieldart.net/
まだまだ工事中ですが時折のぞいてくださいね。谷口高司鳥絵工房のサイトです。

私のブログはこちらです。
食べ物の写真ばっかりと言われますが、落ち着いて写真を撮れるのは食べているとき、というのもあるのです。なごやめしツアーもいっぱいUPしてあります。ことしのラッキーカラーがまんま詰った「名古屋城の鯱」はいかがでしょ?
http://blog.livedoor.jp/tamashigi/

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3月3日まで店頭で開催していた「タマゴ式未公開原画展&バードオリエンテーリング」へ、多くのお客様にご来場頂き、ありがとうございました。お楽しみいただけましたか?

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14日(金)18時半 アンサンブル荻窪
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~「着物でハーネス」バックナンバー~
第1羽 「図鑑と私の切ない関係」
第2羽 「きっかけは“ぬくもり”」
第3羽 「雨は好きですか?」
第4羽 「『鳥のぬりえ』夏場所」

第5羽 「旅でであった鳥」
第6羽 「か行の話で、ごめんなさって・・」
第7羽 「善福寺池男2人の物語」
第8羽 「着物でハーネスに至ったわけ」
第9羽 「モノクロ写真に鮮やかな色彩が蘇るとき」
第10羽「カモメとイワシと私のあやしい関係」
第11羽 「冬はやっぱりラ~メンでしょ!」
第12羽 「鳥の絵を描く『谷口高司と野鳥を楽しむ会』」
第13羽 「店閉店で考えた“もったいない”のホントの意味」
第14羽 「今をありのまま受け入れて生きる・・・ことを学んだ三宅島」
第15羽 「古本に魅せられた人たちウォッチングにはまる」
第16羽 「歩いてみました、善福寺川」
第17羽「灼熱の8月に人を偲び鳥を思う」
第18羽「双眼鏡と望遠鏡と」
第19羽「またまた図鑑の話」
第20羽「あたりき、しゃりき・・」
第21羽「つる・ツル・鶴とおめでだい一年でありますように」
第22羽「男前のアイサ類がやっぱり好き♪です」
~「着物でハーネス」最新ぺージへ~

 「色鉛筆で楽しむおとなのぬりえ 日本の鳥」
谷口 高司・著/誠文堂新光社
¥1,000(税込)
着物でハーネスでもお馴染みの「鳥のぬりえ」がついに出版されました!
原画をコンピューター処理するだけのぬりえが多いなか、数々の野鳥図鑑を手がける谷口氏が“ぬるひと”のことを思いながらひとつひとつの線を描いたぬりえです。
手にとってみれば決して技術を詰め込むようなことはせず、“ぬりやすさ”を第一に考えられていることがお分かりいただけるでしょう。
前編に“鳥を鳥らしくぬるコツ”を丁寧に解説したページや、いきなりぬりはじめるのはちょっと勇気がいるなぁ・・という方の為に“練習用”があったりとまさに至れり尽くせりの内容です。

ご自分用としてはもちろん、ギフトにも最適です。幅広い年代の方に喜ばれることでしょう。

ギフト用もご用意
いたしました。
谷口高司氏が全ての図版を担当された主な出版物
新・山野の鳥
新・水辺の鳥
“タマゴ式”鳥絵塾

鳥のぬりえ

台湾野鳥図鑑

BIRDS OF KOREA
(韓国野鳥図鑑)

WATERBIRDS OF ASIA(アジア水鳥図鑑)
谷口高司氏オリジナルグッズ
野鳥絵葉書集
第一集
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オンラインではご紹介できない、一点ものの作品も多数ご用意しております。
「谷口高司と野鳥を楽しむ会」
野外で鳥を観察しつつ描くというユニークなスタイルで、初めての方でも楽しく鳥の絵がかけるイラスト教室です。
谷口高司氏から直接指導いただけることはもちろん、いつもパワフルなりつこさんにお会いできるのも楽しみのひとつです。“タマゴ式”鳥絵塾」「鳥のぬりえ」もこの会から生まれました。
 詳しくは 谷口高司 鳥絵工房http://www.fieldart.net/ からどうぞ。