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第16羽 「歩いてみました、善福寺川」
みなさま、暑い毎日を元気に乗り切っておられますか?
私は梅雨の晴れ間の7月のはじめに、善福寺公園をスタートし、善福寺川沿いをずっと下って、神田川の合流地点まで、約12キロを歩くという貴重?な体験をしました。
言いだしっぺは日本野鳥の会東京支部長の西村眞一さんです。彼が杉並区の広報の依頼を受けて、ネットで杉並にいる野鳥写真を配信することになり、善福寺公園をフィールドにして25年も過ぎた今頃になって、いきなり「あ、ぼく、善福寺川って全部歩いたことなかった!」と気付いたことがきっかけでした。引越しの合間にお手伝いをお願いして、ファミレスで「チョコランマ」という何とも脱力なネーミングのパフェを食べている時です。
「あ、ぼくも全部歩いたことないや」と高司も言いはじめ、「え!?二人とも善福寺池のことなら、まかしとけじゃなかったの?まずいだろぉ歩いてないんじゃ」と私が突っ込んでしまい、この珍妙ツアー開催となったのです。
善福寺池は都立善福寺公園の中にあります。荻窪―南善福寺を結ぶ関東バスに乗り、善福寺公園バス停で下車し、20歩ほど進行方向に坂を下りると右手に上池が、左手にはうっそうと繁った林が見えてきます。林の奥にある下池とあわせ、37.000平米の敷地のうち47%が池というのどかな公園です。高司が幼少の頃は、まだ公園にもなっておらず、つまり整備がされていない沼地で、たっぷりと自然が残っていて一日いても飽きることがなかったと言います。
このあたりの地名も「井草」とか「井荻」「荻窪」とか、水と縁の深いものが多いので、昔は本当に豊かに水が湧いていたのでしょう。
上池は去年のお正月にコハクチョウが6羽飛来し、大騒ぎになった池です。弁天島が端に浮かび、真ん中に睡蓮を囲んで杭が打ってあるものの、とても広々とした池です。
冬にはカルガモ・オナガガモ・マガモ・オシドリ・キンクロハジロ…あたりがのんびりと浮かびます。一年を通してダイサギ・コサギ・ゴイサギ・カワウ・カイツブリが見られ、運が良ければカワセミもいます。週末はボートがでるし、こどもの日の頃は鯉のぼりが池の上空を飾る光景が見られます。池を囲む木々にも鳥はいっぱい。近隣の地主さんたちの林と行き来しながら、今年の冬はカケスも数多く観られました。
水面に写る、サクラや紅葉も、地元カメラマンの大好きな構図の一つです。
下池は真ん中に葦やマコモがお行儀よく生え、睡蓮の花も咲く、上池とは違った雰囲気の池です。こちらは、バンの繁殖が確認されたり、アオサギやコガモも隠れやすいせいかお気に入り、10年以上も前の夏の暑い日々に(財)日本野鳥の会のKさんを中心に、マコモや葦の環境を整えて、水質汚染を防ぎつつ野鳥が安心して暮らせる環境を作ってくださったのです。しっかり根止めをしてあるせいか、いまでも水草がだらだらと広がることなく、とても良い雰囲気になっています。
吉祥寺駅・西荻窪駅からも、上石神井駅からも歩いて来るにはちょっと遠いので、ジモティ以外は「知ってはいても行ったことない」公園らしく、まるで隠れ家のようです。この善福寺公園と、都内で四番目の広さを持つ歴史ある井草八幡宮、そして大地主さんたちの庭先の木々のおかげで、このあたりの緑被率の低下は最小限にとどまっています。ですから水鳥だけでなく、小鳥類もけっこう観られて、一年間で約70種ほどの野鳥が観察できるなかなかのフィールドです。
この善福寺池が大のお気に入りの高司と西村さんが、池から流れ出ている善福寺川を歩いたことがないなんて、ちょっとびっくりでした。
さて、決行前日、どうせ歩くなら万歩計だろぉとご近所の大型電気店に行きました。思いがけず手頃な値段だったので、高司と私の分をおそろいで買って帰って、明日の待ち合わせの最終確認の電話を西村さんにすると「え~万歩計!?俺のは?え?ないの?3人で行くならふつぅ3つ買ってくるよなぁ」と拗ね始めたので、また夜道を自転車で飛ばして、追加購入しに。
いつも担当してくれる販売員のKくんが「3つ目ですけど…」と不安そう。もしかしたら、私がお腹のお肉の揺れでもいろんな場所で計るとでも思ってるの?「明日さ、3人で善福寺川歩いてみるのよ…」というと、さらにびっくりされ
「無事帰ってきてくださいね」と言われる始末でした。
そうか、やっぱり酔狂なのかも…
さて当日朝8時、武蔵野三大湧池といわれる「井の頭池」「三宝寺池」「善福寺池」の、善福寺池の基点「遅野井の井戸」に集合。踏破目標時間は3時間です。
おもむろに参加章代わりの万歩計を渡すと、高司も西村さんも大騒ぎ。つけてお腹揺すってみたり、9歩進んだのに7歩しかカウントされてないと言ってみたり。スタート地点から1メートルも動くことなく、初めて道具を持ったサルよろしくの興奮ぶり。ふぅ。
14年前に逝った舅が、歩くのが大好きな人で、色んな歩け歩け大会や、大晦日の山手線一周ウォーキングだけでなく、善福寺から杉並区を斜めに横断して大宮の方まで朝、体操をしに行って、朝ご飯までには善福寺の自宅まで帰って来ていたので、その時の舅よりずっと若い私たちは楽勝のはず。でも万歩計と戯れること延々15分で、この時点で3時間踏破はもう無理ね…「ま、な、のんびりと」と上池、下池を鳥を観ながら進みました。
杉並区はお年寄りと犬が多い区と言われています。お年寄りの数は、本人達が「あたしは年寄りなんかじゃない」と言い切れば、そんなもん、になりますが、犬は鑑札が必要なので、その登録数から、多い区ということのようです。
確かに、朝5時半に行っても、深夜に行っても、善福寺公園では、犬を散歩する人に会います。8時20分という時間は、人間の出勤時間同様、犬もやっぱりラッシュ時間だったようで、大きいのから小さいのまで、ゾロゾロと。その合間を捨てられて居ついたシナガチョウが威風堂々と渡り歩いています。
上池から下池への細い水路で、かって舅が元気な頃、ホタルの放虫をしていたことがありました。舅がこの地で理髪店を開業した昭和16年、善福寺池はホタルが乱舞していたと聞きました。それが年を追うごとに少なくなり、結局、地元の風致協会の有志がホタル再生を決めたものの、うまく行かず、地元で生き物好きで通っていた舅に、再生依頼が来たのだそうです。
70歳の誕生日に悠々の理容師引退をしたあとの舅は、ホタルの育成と、歩け歩け三昧の日々を過ごしていました。時はバブルの真っ只中。杉並区が「貴重な生物が生息しているので入らないでください」と掲示板を掲げた巨大な檻が、今でも上池と下池を結ぶ水路に建っています。
さて下池でバンの綱渡りを見つつ…綱渡りって私の人生みたいですが、善福寺公園の下池のバンは、本当に器用に、釣り防止のために張られた綱を渡るのです。あの、長い足指で上手にロープを掴んで渡る様子は拍手を送りたくなります。成鳥になるとあまりしないようなので、幼鳥達の度胸試しなのかもしれません。
ほら、田舎の川でやたら高い橋から飛び込んで、少年は一人前になるっていうところがあったけれど、ああいう感じかしら。
下池をすぎると堰があって、そこを過ぎたところにあるのが、美濃山橋です。まずカルガモ、そしてスズメが飛びたち、双眼鏡を握り締めた、W隊長は他の鳥がいないかチェックに余念がありません。「え~せかっく歩くのに、鳥観てるだけでいいのぉ!?」と言った瞬間に、西村隊長ご愛用のメモと、谷口隊長ご愛用のボールペンが両方から差し出され、その時点で何故か私が記録係に就任することになりました。
何でだよ…
酔狂に付き合った上に、延々メモをとり続けるなんて、修行のよう。川幅はさほど太くなく、護岸整備もされています。これは合流地点まで変わらない光景でした。
この善福寺川が「一級河川」というと、東京だと多摩川や荒川が一級河川で、この狭さで何故!?と思いますが、これは川幅や水量が基準ではなく、「一級水系に属する河川は全部一級河川」「国土保全上又は国民経済上特に重要な水系」という河川法に基づくものなのだそうです。
池をでてすぐの八幡西橋・新町橋のあたりは、一昨年の9月5日、台風の大雨で氾濫・決壊し、大変な騒ぎになったところです。川沿いの家が大丈夫でも、道一本離れたところが冠水して、後で不思議に思ったものでした。この先にも何箇所か冠水したところがあり、お隣の家のベンツが冠水したり、川の右岸左岸の高さが微妙に違って決壊を免れた家や、橋の上に取り残された娘の車を救出に走った家など、何軒もの友人宅が被害にあっています。池に近いところは水幅50センチほどのゆるい流れだし、護岸工事後の氾濫は高司の記憶にもないほどの、こんなおとなしい川が暴れるなんて、誰も考えていなかったこと。あの台風の後、しばらくこのあたりは騒然となっていました。
井荻小学校の中を、川が通っている部分は迂回をしなければなりません。藤棚が川を覆っていて見事な景色です。その先、しばらく行くと高司が小さな頃は、水の冷たさを利用してあった製氷工場の跡地に、「関根プール」ができています。一般に開放される区民プールですが、ここの水は未だにかなり冷たいです。この「あたりには、お友達のSちゃんが住んでいるので、驚かそうと携帯で呼び出すと、窓から顔を出し「何してン?え?川歩くン?こんな暑い中、ご苦労なこっちゃ、二人だけ行かせて、りっちゃんだけうちで休んどいたら?」という極めて魅力的なお誘い。でも二人の隊長を置き去りにしたら後でどんな騒ぎになることか…と丁寧にお断り。
川が大きく蛇行し、中央線の下を通り、しばらく行くと環状八号線と交差します。そこまでの川沿いの道はかなり狭いです。住宅地を流れている用水路のよう。
私は歩道橋が大ッ嫌いなのですが、川沿いを行くということで、環八では歩道橋を素直に上り下り。これでエネルギーの20%減となりましたが、渡ってすぐのところにコンビニを発見、ソフトクリームでエネルギーチャージ&トイレ休憩でリフレッシュ。その先の善福寺川緑地帯を目指します。環八まではとは打ってかわってしたが、ここいらあたりは、とても余裕のあるつくりです。川幅も両側の道もとてもゆったり広いつくり、同じ川なのに光景が全く違います。まったりと河川で昼寝するアオダイショウにまで出会いました。
神明橋あたりから緑が濃くなり、都立公園善福寺川緑地に入って行きます。
たっぷりの緑の中、遊具があったり、交通公園があったり、郷土資料館が隣接していたり、散策やマラソンを楽しむ人たちも多く、まさに「都民憩いの場所」。途中左手にあるひょうたん池では、カイツブリのヒナが親鳥の背中に乗っているところにもであえてラッキーでした。また必ずカワウが止まっているので「カワウ電線」と呼ばれている電線では今日もカワウが健在ぶりをアピール。
大宮のグランドのそばではカルガモのヒナ連れにも会いました。孵化後2週間近く経っているのでは?と思われますが、ヒナの大きさに結構なばらつきがありました。小さめのヒナに「カラスに食われるなよぉ~」と声援を送ったのは言うまでもありません。
川沿いを歩く!というのがテーマでなければ、ここは直進したいところを、川に沿って大きく、まるで巾着のように大きくループを描いてひたすら歩き続けていると、向こうから、見知った顔が…床屋さんのお仲間のNさんでした。環七まで行って戻ってきたところと言います。しかも彼の西荻窪エリアからの所要時間を聴くと、私たちの約半分。その時点で11時を大きく過ぎていたので、どれだけのんびりと川散歩を楽しんでいたことか。ふぅ。
気持ちハイペースになり、善福寺川緑地をあとにひたすら歩いていくと、環状七号線と交差する和田堀橋が見えるところで、大工事をやっていてどちらの岸も通行禁止となっています。環七を目指してここは迂回です。行き交う車の放射熱のせいか、異様に暑い環七に出ると、目の前にバス停…このまんま乗って帰りたい…ところをぐっとこらえ、両脇に立正佼成会の施設をみながら、またひたすら歩き続けます。こういうのを炎天下っていうんだろうなぁ。日陰になるものがいっさいないんだもの。それまで緑がつづいていた善福寺川は環七を越えると、まったく色気のない川となっていて、ここは正直きつかったです。
やっと丸ノ内線の車庫が見え、ゴールの和田廣橋に着いたのが一時過ぎ。善福寺川と神田川の合流点は思いがけずしょぼい感じ。水量も水幅もあまりありません。あれだけの水量があったはずなのにどこへいっちゃたのでしょう、あの水は。ともかく約4時間のツアーは終了しました。
都会の川下り?ツアーを真夏にする時は、月並みですがこんなあたりに気を配ると快適かもしれません。
◆日よけ対策・暑さ対策・水分補給はともかく万全に
◆荷物は最低限。リュックは背負わない。背中が空いているだけで涼しい…
◆首からかけるタオルとウチワは必需品。万歩計はお好みで。
◆地図のチェックも念入りに。探鳥会リーダー歴の長い西村さんはおトイレチェックも完璧にしての参戦でした。コンビニがわかるとさらに百人力かも。
足元はスニーカーでも、ウォーキングシューズでもいいでしょうが、私はウォーキングサンダルで参加しました。もちろん15年来愛用している絹の5歩指のソックスは今回も必須アイテム。足元快適だと暑さも散るかと。
さて、炎天下、記録係が必死でチェックした鳥たちの発表です!!(思いっきり順不同)
①カルガモ ②コサギ ③スズメ ④ハクセキレイ ⑤ツバメ ⑥ムクドリ ⑦カワウ ⑧シジュウカラ ⑨メジロ ⑩ヒヨドリ ⑪ムクドリ ⑫シジュウカラ ⑬コゲラ ⑭カワラヒワ ⑮ハシブトガラス ⑯ハシボソガラス 番外:ワカケホンセイインコ全16種 384羽 うぉ~
あくまでも善福寺川とその上空、川幅までに限ってのリストです。ちなみにカルガモは128羽もいました。びっくり!次がスズメの127羽、ハクセキレイは30羽で幼鳥もいました。真夏でこれだけ居たのだから、いろんなカモのいる冬はもっとおもしろいでしょうね。
記録係、正直、野鳥メモはルーティンワークになっていました。だって両隊長は見るたびに叫んでいればいいけれど、メモするのはこちらだし。橋ごとに記録を取っていたら、善福寺川緑地帯なんて、どぉ~してこんなに橋が多い!?と思うほどだったし。バスが通る大きい橋6つを含む40以上もの橋の名前書くだけで、結構げんなりでした。同じ名前の橋もあったり、名前が読めなかったり…
帰りに中野富士見町の美味しいラーメン屋さんでラーメンを食べつつ「今度は神田川?」とご機嫌な二人。日焼けが心配を通り越してヤケドモード→真っ黒→この年じゃ消えないシミ…になりそうな私は寡黙になりつつ、11.3キロの旅はめでたく終了したのであります。
さて、みんなの万歩計のカウント数は?軽く30000歩に限りなくちかくなっていて、健康に良さそうな数字ではあったけれど、頭は暑くて煮えそうでした。
もう2度としたくないぞぉぉぉぉ…でも……ソフトクリーム2個食べさせてくれんなら、考えてもいいぞぉぉぉお…ラーメンに餃子もつけてね!
皆様もご近所のお散歩を、少し規模をひろげてごらんになるのも、また味わいがあるかと…
◎疲れが翌々日にでた両隊長の当日の様子
http://blog.livedoor.jp/tamashigi/archives/2007-07.html#20070709
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谷口高司オリジナルカレンダー2008、作成中です。
お楽しみに!!
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16日(木)18時半アンサンブル荻窪
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※必ず事前にお申し込みください。参加費は1000円です。
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毎月第一水曜日19時、丸の内でお会いしましょう!
お問い合わせ・申し込みは直接丸の内さえずり館へお願いします。
詳細はこちらへ http://www.m-nature.info/about/index.html
9月以降は「まもりたい鳥を描く」です。
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信濃追分、宿場宿「柳屋旅館」を模し昨年完成した建物で「エコな村の古本屋」としてオープンした追分コロニー。
カフェも併設された面白い本屋さんで、年数回、観察会等をさせていただくことになりました。
詳細はこちらへ http://www11.plala.or.jp/colony/fm_event.html
11月3日(土)は16時~ジョウビタキのお絵描き教室を
11月4日(日)に8時~野鳥観察会を開講します。
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